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飲食店におけるオーナーチェンジの流れは7ステップ|注意点やよくある質問もご紹介します!

飲食店のオーナーチェンジを検討されている方で、詳しい手順が知りたい方もおられるのではないでしょうか。オーナーチェンジは物件の内見からはじまり、審査や契約など、さまざまなステップがあります。

本記事では、飲食店におけるオーナーチェンジの流れをご紹介します。また、オーナーチェンジの注意点やよくある質問も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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飲食店におけるオーナーチェンジの流れは7ステップ

飲食店におけるオーナーチェンジの流れは7ステップ

飲食店におけるオーナーチェンジの流れについて解説します。それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

ステップ1.物件の内見

居抜き物件の場合は、店舗が営業中の状態で内見する場合が多いため、内見の申し込みを早めにするのが望ましいです。また、内見する際は物件の立地や現状の設備、修繕が必要な箇所がないか確認し、自分のビジネスプランに適しているか見極めましょう。

さらに、内見可能な時間が限られる場合もあるため、事前の準備と確認が不可欠です。正確な情報を得るためにも、詳細なチェックリストを持参し、事前に質問を準備しておいてください。

なお、居抜き物件については、こちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事:居抜き物件とは?メリット・デメリットや契約する際のステップまで詳しく解説します!

ステップ2.物件の条件や設備の確認

飲食店などの事業では、店舗のレイアウトや設備が業務効率に大きく影響します。そのため、内見する際には、広さや立地条件、設備の状態、種類を細かく確認することが大切です。

また、居抜き物件の場合、既存の設備がすべて譲渡されるわけではありません。どの程度の設備が利用できるのか確認し、新たに必要となる設備を明確に把握しておきましょう。

ステップ3.借主の審査

居抜き物件を借りる際には、一般的な賃貸契約と同様に借主の審査が行われます。この審査では、借主の事業内容や物件の利用目的が重要視され、借主が物件を信用して運用できるか判断します。

また、事業計画書の提出が求められるケースもあり、計画書には従業員数や売上予測、収益見込みなどの項目を記載しなければなりません。これにより、貸主は借主の事業が実現可能か、信頼性があるか評価できます。

ステップ4.追加費用の有無の確認

居抜き物件の場合、既存の設備の状態によっては、更新や修理が必要となります。電気設備のアンペア数不足や通信設備の不備が見つかった場合、改善するための費用が発生します。

契約前に追加費用が自分の負担となるのか、貸主が負担するのか明確に確認しておきましょう。また、事前に設備の検査を実施し、必要な修理やアップグレードの見積もりを取得しておくと、予期せぬ出費を避けられます。

ステップ5.造作譲渡契約の締結

造作譲渡契約では、店舗の内装や設備の譲渡が正式に決定されます。契約を結ぶ前に、以下の点を確認しましょう。

  • 設備が適切に機能しているか
  • 関連する機器のリースが清算されているか
  • 消耗品と資産計上される設備が明確にリスト化されているか

これらの詳細を理解し、契約内容に疑問点がないか事前に確認し、将来的なトラブルを避けるようにしてください。造作譲渡契約は、単に設備が無料で移されるわけではなく、それぞれの条項には双方の合意が必要なため、納得のいく形で進めなければなりません。

なお、造作譲渡契約書については、こちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事:造作譲渡契約書とは?必要な理由や記載すべき項目、契約時の注意点を詳しく解説します!

ステップ6.賃貸借契約の締結

賃貸借契約では、使用条件や費用、修繕の義務などが定められており、利用者は遵守しなければなりません。また、契約違反が発生した場合、ペナルティが課せられるケースがあります。

事業用物件では、業務内容や運営時間に関する特定の規定が設けられている場合があり、規定を守る必要があります。そのため、契約内容をよく理解し、適切な対処を心がけるようにしましょう。

ステップ7.物件の引き渡し

物件の引き渡しの際は、契約内容に従い、譲渡リストに記載されたアイテムがすべて揃っているか、設備が正常に動作しているかの確認が不可欠です。また、必要な修理が確認された場合には、早期に対応できる準備を進めておく必要があります。

引き渡し手続きがスムーズに進むようにチェックリストを用意し、詳細に確認しながら引き渡すのがおすすめです。

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飲食店におけるオーナーチェンジの注意点は3つ

飲食店におけるオーナーチェンジの注意点は3つ

次は、飲食店におけるオーナーチェンジの注意点について解説します。

  • 空調と水回りの改修有無を確認する
  • 無償の場合でも契約書を作成する
  • 害虫や害獣の被害がないか確認する

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

1.空調と水回りの改修有無を確認する

設備に不備がある状態だと、後に予想しない高額な改修費用が発生するリスクがあります。空調システムや水道、排水設備の劣化は、運営を始めてからトラブルになるケースが多いです。

そのため、契約前に設備が最新の状態に保たれているか確認し、改修が必要な場合は見積もりを確認しましょう。また、専門家による検査を依頼し、改修計画の立案とコストの評価をしてもらうと、安心です。

2.無償の場合でも契約書を作成する

設備や器具を無償で譲り受ける場合でも、書面による契約を交わしておきましょう。口頭での合意があったとしても、誤解やトラブルを避けるためには、契約書の作成が欠かせません。

契約書には、譲渡の対象となる物品や状態、所有権の移転に関する詳細な条件を記載し、両者の署名を記載するようにしてください。これにより、双方が合意したものとみなされます。

3.害虫や害獣の被害がないか確認する

店舗で食材を扱う場合、ネズミや害虫の存在は衛生問題や食品安全に直結します。実際に店舗を引き継ぐ前に、専門の業者による徹底的な点検を実施し、害虫やネズミの被害がないかチェックしておきましょう。

また、害虫やネズミが再び侵入する可能性を防ぐため、侵入経路がないかも調査して、必要に応じて適切な防除策を施すのが望ましいです。

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飲食店のオーナーチェンジでよくある3つの質問

飲食店のオーナーチェンジでよくある3つの質問

最後に、飲食店のオーナーチェンジでよくある質問について紹介します。

  • 質問1.飲食店の店舗を譲渡する方法は?
  • 質問2.飲食店の店舗を閉店するためにかかる費用は?
  • 質問3.従業員や取引先へ告知するタイミングは?

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

質問1.飲食店の店舗を譲渡する方法は?

飲食店の店舗を譲渡する主な方法は、以下のとおりです。

  • 造作譲渡

店舗の内装や設備など物理的な資産を譲渡する方法。閉店時に必要となる原状回復のスケルトン工事の費用を節約できる。また、譲受人が開業までの時間とコストを削減できるため、双方にとって利点がある

  • 事業譲渡

店舗の物理的な資産だけでなく、従業員やブランド、営業ノウハウなどの無形資産を含めた譲渡する方法。飲食店のブランド価値や顧客基盤を維持しながら事業のスムーズな引き継ぎが可能となる

  • 株式譲渡

法人所有の飲食店の場合、会社の株式を譲渡すると、店舗を含めた事業全体を移転する方法。株式譲渡は、経営権の移転を伴うため、経営構造を大きく変更しなくても新しい経営者に事業を委ねられる

これらの方法を選ぶ際には、それぞれの特徴を理解し、自店舗の状況に合った選択が欠かせません。それぞれの方法には独自の手続きと条件が伴うため、適切な専門家のアドバイスを受けながら進めましょう。

質問2.飲食店の店舗を閉店するためにかかる費用は?

飲食店の店舗を閉店する際に必要な費用は、以下のとおりです。

  • 賃貸契約終了までの賃料
  • 閉店までの設備および道具のリース料金やレンタル費用
  • リースやレンタル品の解約費
  • 退去までの水道代や光熱費
  • 閉店までの従業員の給与:(退職金も含む)
  • 原状回復のための解体費用(1坪あたり2〜10万円が相場)
  • 廃棄物の処理費用
  • 不要な備品の処分費

法人として廃業する場合には、追加で以下のコストが発生します。

  • 解散の登記費用
  • 清算人の登記費用
  • 清算結了の登記費用
  • 官報による公告費用
  • 登記や法手続きの依頼料

質問3.従業員や取引先へ告知するタイミングは?

店舗の経営を移行する際には、確定する前に従業員や取引先に情報を伝えないことが大切です。確定前に情報が漏れてしまうと、従業員が辞めたり、取引先との関係が悪化したりする可能性があります。

このような事態になると、移行プロセスが複雑になり、スムーズな引き継ぎの障害になる可能性があります。また、噂が広まると、信頼が揺らいでしまうため、適切なタイミングまで情報を秘密にしておきましょう。

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まとめ

まとめ

本記事では、飲食店におけるオーナーチェンジの流れ、注意点をご紹介しました。

飲食店のオーナーチェンジには、細かなステップがあります。まず、物件の内見からはじまり、条件や設備を確認します。次に、借主の審査を経て、追加費用のチェックも必要です。さらに、造作譲渡契約と賃貸借契約の締結も欠かせません。

これらのプロセスのなかで注意すべき点は、空調と水回りの改修有無の確認、契約書の作成、そして害虫や害獣の被害確認です。これらの注意点を押さえて、スムーズなオーナーチェンジを実現しましょう。

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